研究テーマ:ヒトiPS細胞を用いた催奇形性予測試験法の構築
化学物質などが作用し、胎児に奇形を生じさせる性質のことを催奇形性という。薬剤の催奇形性を予測する方法として動物実験が行われるが、動物愛護の観点から動物実験の代替法が求められている。これまでに、ZebrafishやMouse ESTを用いた試験法等が提案されてきたが、いずれの試験法もヒト以外の動物細胞を使用する。一方、種差は催奇形性の変動要因として非常に大きく、サリドマイドのようにマウスやラットなどのげっ歯類では催奇形性を示さない薬剤でも、ヒトでは催奇形性を示すものもある。したがって、ヒトでの催奇形性を適切に評価するためには、ヒト細胞を用いた予測試験法が必須である。そこで本研究では、ヒトiPS細胞を用いて器官形成に関わるシグナル経路のレポーターラインを作製し、催奇形性の予測試験法として有用であることを示す。 |