創薬応用に向けたヒトiPS細胞由来心筋細胞の成熟化
iPS細胞由来の心筋細胞は再生医療・創薬・疾患モデルと幅広い分野への応用が期待されている。しかし、胎児期同様の未成熟な特徴を示すことが課題である。そこで本研究では、創薬で心毒性試験のモデルとして利用することを目的とし、成熟化の検討を進めている。未成熟な状態では、薬剤に対する本来の応答を示さない可能性があり、正確な評価を行うために成熟化が必要と考えられている。本研究では、成熟過程でエネルギー産生に使用する代謝経路が変化することに着目し、細胞を培養する培地成分を限定することで代謝制御を行う。また従来の平面培養ではなく、より生体内に近い3次元で培養を行う組織工学を組み合わせることで成熟の促進を目指す。 |