研究テーマ:酸素透過性スフェロイド培養器を用いてiPS細胞由来心筋細胞の成熟化
iPS細胞由来の心筋細胞は、再生医療や創薬開発に有効なツールであると考えられる。しかし、iPS細胞由来の心筋細胞は、生体の心筋細胞と比べ未熟であるという課題がある。心筋細胞を成熟化させる方法の一つとして、スフェロイド培養法が挙げられる。しかし、スフェロイドは、その粒径が機能や分化に影響を及ぼすなど、培養環境の制御が必要である。例えば、直径が酸素拡散距離より大きくなると中心で壊死が生じ、期待した機能が得られない。本研究では、酸素透過性の高いシリコーンゴム(PDMS)を用いたスフェロイド培養器を開発し、粒径の均一なiPS細胞由来心筋細胞スフェロイドを作製するとともに、十分な酸素を供給しながら培養することで、成熟化した心筋組織を安定して調製する技術を確立することを目的とする。 |