@毛包を有する皮膚組織の作製
皮膚再生医療の分野では、生体材料に細胞を付加して移植する手法や細胞シートを移植する手法が進められている。現在の皮膚組織は、皮膚に備わるべき毛包などの皮膚附属器や皮下組織が存在せず、構造が不完全であるため、治療あるいは創薬試験モデルとして大きな制約となっている。そこで本研究では、毛の種である毛包原基をin vitro皮膚モデルに組み込み、生体に類似した毛包を有する皮膚組織の作製を目的とした。
A細胞単離デバイスの開発
3Dの臓器を作製するうえでiPS細胞から未分化な細胞を取り除くことは避けて通れない工程である。現在、細胞を選別する方法は細胞を蛍光標識して分けるFACSや磁気ビーズを細胞に修飾し磁力によって分けるMACSという方法が主流である。しかし、FACSやMACSは試薬の調製に時間を要したり細胞に影響を及ぼす可能性がある。このことから、本研究では電気化学細胞脱離を用いて新たに細胞を非侵襲的に単離できるデバイスの開発を目的とした。 |