Yokohama National University, Faculty of Engineering
(Bio Microsystem lab)

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● Tissue engineering


Microbe research

 

Nitrosomonas europaeaに対するクオラムセンシングの効果
研究目的
 微生物間コミュニケーション(クオラムセンシング)を司るシグナル物質を人為的に利用することにより微生物機能を制御しようとする試みがなされている。本研究室でも水処理施設で中心的役割を果たす微生物の凝集体(活性汚泥)へシグナル物質の添加することにより窒素除去プロセスにおいて律速となっている硝化活性が向上することを確認している。しかし、この硝化の活性化メカニズムは不明であった。そこで本研究では、硝化細菌のモデル株であるNitrosomonas europaea を用いた実験によりそのメカニズムの解明に取り組んだ。
研究内容

 

本研究では組み換え体N. europaeaを用いてシグナル物質の効果の評価を行った。この組換え体はHydroxylamine oxidoreductase(HAO)のプロモーターを利用したレポーターアッセイ系である。HAOはアンモニア酸化反応を担う主要な酵素である。つまり発光強度とHAOの発現量に相関性があることを利用してWild typeを用いた実験では見過ごされていた遺伝子発現量変化を追跡することができる。この組換え体に種々のシグナル物質を添加する実験により特定のシグナル物質(Acyl homoserine lactone C12,C14)が組換え体N.europaeaの発光量を増加させることを確認した。この結果はHAOの発現が促進することを示唆している。そして、そのシグナル物質を作用させた状態で培養を続け、アンモニア濃度を追跡することにより、非添加系と比較して硝化活性が高まることを確認した。今までN.europaeaに対して多くの研究が積み重ねられえてきたにもかかわらず、クオラムセンシングがN.europaeaの硝化活性に対して影響を及ぼすという報告はないためこれらの結果は新規性が高いものと考えられる。以上の結果から活性汚泥中においてもシグナル物質はN.europaeaに直接作用し、硝化を活性化させているというメカニズムが示唆された。
 

Fig. 1 組換え体N. europaea


Fig. 2 シグナル物質添加による発光量の増大


Fig. 3 シグナル物質添加による硝化活性化

[参考資料]
 

 

 

 

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