医療用のメスやピンセットに用いられている医療用金めっきと生体適合性金めっきの2種のめっき法を比較した結果、医療用金めっき法で作製した基板には細胞は接着しなかったが、生体適合性金めっき法では良好な細胞接着が観察された。また、この基板上にオリゴペプチドを介して接着したヒト繊維芽細胞は、- 1.0 Vの電位を5分間印加することで、約90%が脱離・回収可能であった。脱離細胞を生死染色した結果、ほぼすべての細胞が良好に生存していることがわかった。
マイクロ光造形技術を用い、モデルとして立体的な兎を作製し、その表面に生体適合性金めっきを施した。金表面にオリゴペプチドを修飾して細胞を接着させることができた(図1)。
本手法は、任意の形状に適用可能であり、ティッシュエンジニアリングおよび再生医療のための基盤技術となりうる。
図1 マイクロ光造形による鋳型モデルの作製・金めっき・細胞接着・転写 |